超純水製造装置についての説明
 
1. 超純水とは:
  1) ほぼ絶縁体の水の事です。
    通常の自然水や水道水、井戸水には色々な物質が溶解している為、電気が通ってしまいます。しかし超純水は電気を通しません。
  2) 超純水の用途:洗浄用水として、薄め液として・・・等が最も多い用途です。
    (シンナーやアルコールでは静電気等によって引火しやすい為超純水のほうが安心なのです。)
  3) 超純水製造装置と雑菌:超純水製造装置の中にも菌は存在します。
    この菌を完全に処理する事で、水のランクもUPします。
  4) 超純水製造装置と殺菌灯(UV):UV灯を付けますと、水の純度が悪化します。
    超純水製造装置を製作するときには、この処理をクリアーする必要があります。(難しい手法を取る事になります)
  5) TOCの低減:トータルオーガニックカーボンと言います。
    50〜5 PPB 程度以下を要求される事が多く、これの低減と計測診断が非常に難しい。
 
2. 超純水の呼び方
  1) 簡易純水 → 10μs/cm〜3μs/cm 程度を言います。・・・Roマシンから出水される水は、これにほぼ合います。
  2) 純   水 → 1〜10MΩ(メグオーム)(1〜0.1μs/cm) 程度を言います。
  3) 超 純 水 → 10〜17MΩ(メグオーム) (0.1〜0.06μs/cm) 程度を言います。
  4) 超超純水 → 17〜18MΩ(メグオーム) 程度を言います。
    以上は目安で、業界により数値の区切りは勝手で、特に決められてはおりません。
    上記 2)3)4)を全て超純水と呼ぶ業界もあります。
 
3. 超純水の単位比較(約):
 
μs/cm PPM
1MΩ 1μs/cm(1/1) 0.5PPM
10MΩ 0.1μs/cm(1/10) 0.05PPM
18MΩ 0.055μs/cm(1/18) 0.024PPM
 
4. 化学分析用の純水規格
  ●規格は、1993年に制定された化学分析用の水について規定していたものを、工業用水及び工場排水の試験に用いる水の規格として改正した物です。
  ●水の種別をA1〜A4に分類し、その質を下表のように規定しています。
 
項目(1) 種別及び質
A1 A2 A3 A4
電気伝導率μS/cm(25℃) 5以下 1(2)(3)以下 1(2)以下 1(2)以下
有機体炭素(TOC)mgC/L 1以下 0.5以下 0.2以下 0.05以下
亜 鉛 μg Zn/L 0.5以下 0.5以下 0.1以下 0.1以下
シリカ μg SIO2/L 50以下 5.0以下 2.5以下
塩化物イオン μg CL/L 10以下 2以下 1以下 1以下
硫酸イオン μg SO42−/L 10以下 2以下 1以下 1以下
  (1) 試験方法によっては、項目を選択してもよい。
    また、試験方法で個別に使用する水の規定がある場合は、それによります。
  (2) 水精製装置の出口水を、電気伝導率計の検出部に直接導入して測定したときの値。
  (3) 最終工程のイオン交換装置の出口に精密ろ過器などのろ過器を直接接続し、出口水を電気伝導率計の検出部に直接導入した場合には、
    0.1μS/cm(25℃)以下とします。
  A1〜A4の水の用途及び精製方法は、一般に次のようなものです。
  A1の水は、器具類の洗浄及びA2〜A3の水の原料に用いる。
  最終工程でイオン交換法または逆浸透膜法などで精製したもの。またはこれと同等の水質が得られる方法で精製したもの。
  A2の水は、一般の化学分析及びA3〜A4の水の原料などに用いる。
    A1の水を用い、最終工程でイオン交換装置・精密ろ過器などの組み合わせによって精製したもの。
    又はこれと同等の質が得られる方法で精製したもの。
  A3の水は、試薬類の調製、微量成分の試験などに用いる。
    A1又はA2の水を用い、最終工程で蒸留法によって精製したもの、又はこれと同等の水が得られる方法で精製したもの。
  A4の水は、微量成分の試験などに用いる。
    A2又はA3の水を用い、石英ガラス製の蒸留装置による蒸留法、又は非沸騰型蒸留装置による蒸留法で精製したもの、
    若しくはこれと同等の質が得られる方法で精製したもの。